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税理士事務所の選び方

はじめに

 税理士は経営者にとって、信頼できる重要なパートナーです。経営の悩みや相談をする際、最初に相談相手として選ばれることが多いのが税理士です。そのため、信頼できる税理士を見つけ、長期的な関係を築くことが、事業の成功に欠かせません。税理士を後から変更するのは手間がかかるため、最初の選択が非常に重要です。
 税理士にも様々な形態があり、それぞれに特徴があります。一人で活動している税理士、地元で長年営業している税理士事務所、大手税理士事務所など、どの税理士が最適かは、経営者の事業展開やニーズによって異なります。ここでは、私の経験を基に、それぞれの形態の特徴をご紹介します。

一人税理士事務所

 開業したばかりの税理士をイメージする方も多いかもしれませんが、戦略的に一人で活動している税理士も存在します。ある程度の顧問先を確保できれば、生活が安定するため、子育てや私生活とのバランスを考えて、一人で活動することを選ぶ税理士もいます。
 開業したばかりの税理士は、まず生活費を稼ぐことが優先されるため、比較的低コストで依頼を受けることが多いです。一方で、戦略的に一人で活動する税理士は、顧客を厳選するために受注を停止している場合や、紹介のみを受け付けている場合があります。
 一人税理士事務所の利点は、担当者が頻繁に変わる心配がなく、税理士本人が直接対応してくれることです。このため、顧客との信頼関係が築きやすく、安心感があります。また、平日夜間や時間外対応が可能な場合もあります。
 ただし、デメリットもあります。たとえば、税理士が病気になった場合、急に別の税理士を探さなければならないことや、最初は低コストでも、後々値上げを提示される可能性があります。また、経験不足や知識の偏りが出やすく、チェック体制が不十分な場合もあります。
 事業を大きく拡大する予定がない方や、親身になって相談に乗ってもらいたい方には、一人で活動する優秀な税理士を探すことが適しています。

地元で長く営業している税理士事務所(従業員数10〜20人程度)

 コストは中間的で、地元で長年営業している税理士事務所は、地元企業などの優良な顧客を多く抱えているため、経営が安定していることが多いです。経験豊富で組織化されているため、知識の偏りが少なく、安定したサービスを提供してくれます。
 この規模の事務所では、税理士本人が直接担当することは少なくなりますが、勤続年数が長く、経験豊富な担当者が多いのが特徴です。ただし、まれに経験不足の担当者に当たることもありますが、その場合でも所長税理士が対応してくれるケースが多いです。
 地元に根ざした活動をしており、銀行や不動産、取引先の紹介を受けやすいので、地域での信用を重視する方に適しています。さらに、長期的な関係を築きたい方にとっても、安定したサービスを提供してくれる点で安心できる選択肢です。

規模拡大中の税理士事務所・大手税理士事務所

 規模拡大中の税理士事務所は、広告宣伝に力を入れ、「何でもやる」というスタンスを持つところが多いため、低コストで依頼できる場合があります。しかし、その一方で、人材の採用や教育が追いつかず、担当者の入れ替わりが激しいため、安定したサービスが提供されにくい点もあります。こうした理由から、個人的にはあまりオススメできません。

 大手税理士事務所は、コストが高くなる傾向がありますが、取り扱う案件が多く、豊富なノウハウを持っています。事業拡大や上場を目指す方、国際税務が関わる方には特にオススメです。採用のハードルは下がっていますが、依然として優秀な人材が多く在籍しており、質の高いサービスを提供してくれます。ただし、対応が事務的になりがちで、時間外対応が難しい場合もあります。

まとめ

  • 一人税理士事務所

 親身に対応してくれる税理士を求める方や、事業を大きく拡大する予定がない方に適しています。

  • 地元で長く営業している税理士事務所

 安定したサービスを求め、地域での信用や人脈を大切にしたい方に向いています。

  • 大手税理士事務所

 事業拡大や上場を目指す方、国際税務に関心がある方にオススメです。

 それぞれの規模や形態によって、税理士事務所の特徴や強みは異なります。ご自身の事業展開やニーズに合わせて、最適な税理士を選ぶことが、長期的な成功に繋がります。

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